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Carpe diem

映画覚書用ブログだったはずが最近ラップバトル動画覚書用ブログに

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【ERB】東洋の哲学者vs西洋の哲学者



歴史上の人物や現存する著名人、時にはフィクションの人物を交えてラップでバトルさせる動画シリーズを配信するEpic Rap Battles of HistoryというYoutubeのチャンネル。
かなりマニアックな小ネタ満載でなおかつ舞台美術が無駄に質が高いことで人気です。
最新の東西哲学者対決が面白かったので解説を読みつつこれを機におおまかに試訳してみました。
語学難民なものでかなり度し難い誤訳が多々あると思いますがご容赦ください。
解説を読むと言葉遊びや内容の勉強になったので、そちらもできるだけ反映させてみました。





I'm coming off the Acropolis to start some pandemonium.
Don't bring limp raps to a pimp slap symposium!
The mad gadfly, philosophy was my invention!
Rolling with the flyest nihilist, and me, their French henchman!
We've got the wisdom and the wit that even I couldn't question!
Dropping Western medicine on these East infections!
It's evident you've never been our type of mental brethren!
We're better thinkers, better speakers, better lovers, better men!


(ソクラテス)アクロポリスを降りて来たんじゃよ 乱痴気騒ぎを起こしにな
もたついたラップなんか寄越してくれるな こやつらに平手打ちを喰らわせるための饗宴に!
狂った蝿どもめが、哲学はわしの発明なるぞ!
(ニーチェ)最も卓越したニヒリストと、(ヴォルテール)そしてフランスから参った私、彼らの従者がお供します!
(西洋一同)我らには叡智と機智があるのだ、自ら疑いようのないほどの!
西の霊薬を賜ってやろうぞ、このイースト(東)菌に!
明らかなのだ、貴方方が我らと精神的な同胞でないことなど!
我らはより優れた思想家、良き言論家、良き恋人、良き人類なのだ!

(pandemoniumはギリシャ語で大騒動を意味しますが、同時に魔物の巣窟も意味します。ソクラテスは東洋の思想家の待つ不毛の地に、アテネから降って来たと暗にいっていることになります。ヴォルテールがbetter lovers❤と強調しますが、これは彼が多くの女性と関係を持っていてその道の達人だったことに由来するそうです。〔そしてこのネタは後半にも持ち越される〕 )



This type of arrogance is sure to be expected
From men who speak of wisdom with no clue of what respect is!
You Westerners are sloppy, needing discipline in life.
You lack control of yourselves and of the mic.
While we use precise strikes to disrupt your concentration,
Hand you an ass-whipping our descendants will honor for generations!
We filled a nation with patience and the presence for living,
And you'll never hold a candle to the wisdom we've written!


(孔子)このような横柄さは想定の範囲内です
敬意もなしに叡智を語る人もいたものだからね
(老子)君達西洋人はだらしない、自戒が必要だ
自らの統制も欠けているときた、そしてマイクにも、ね
(孫子)あんた方を粉砕するために、我らが確実な一発をお見舞いして
(孔子)尻叩きをくれてやることは我らが子孫にとって何代にもわたる誉れとなるだろう!
(東洋一同)我らは国家を満たした、忍耐と姿勢をもって、生きることに対しての
そして君たちがかなうことは決してないのだ、我らが記した叡智には!

(敬意が無いという孔子からソクラテスへの指摘は、年上を敬う儒教の伝統が考慮されたものです。マイクのコントロールがなって無い、という老子の指摘は中の人がビートボックスの名手、KRNFXであることを考えるとメタ発言的で笑える。)

Oh, I'll give you something you can bow and kowtow to
When I squat down and squeeze out a Tao of Pooh on Lao Tzu!
You need to take control of the life you're given!
They call me Übermensch 'cause I'm so driven!


(ニーチェ)おお、貴方方をお辞儀させ、叩頭させてやろう
私がしゃがみこんで、老子の上にタオのプーさんをひり出した時にな
貴方方は与えられた人生を統制すべきだ!
人々は私を超人と呼ぶ 骨っ節があるからだ!

(Tao of Poohはクマのプーさんをして老子のタオを説いたベンジャミン・ホッフによる著作。お察しの通りpoo〔糞〕との言葉遊びになっています。ニーチェの思想の根底にある自由意思と『ツァラストゥラかく語りき』に出てくる超人の概念がでてきています。老子の思想の根底が信仰に有るのに対して、ニーチェの思想はその否定にあるので、二人がここで対立せしめられているんだとか)

And I'm a freethinker, so confronting conformists like you? It's my job!
Got a sharp wit like a spit that'll skewer you like a Confu-shish kebab!
(Oh!) You flubbed the mission. I'm beating your submissive ass into submission!
Dishing out more disses than letters and pamphlets and plays I've been publishing!


(ヴォルテール)私は自由思想家です、だから貴方の如き順応主義者と渡り合わなきゃね?それが私の仕事ですから!
焼き串のように鋭利な機智をもって貴方をシシカバブのように串刺しにしてやりますよ、孔子!
貴方は任務を怠ったのだ、私が貴方の従順な尻を叩いて、服従させてやる!
非難をばらまいてやる、私が出版してきた書簡、パンフレット、戯曲よりもより多くのな!

(革新的な自由思想家として伝統主義者の孔子に目を付けたヴォルテール。ここでの孔子の任務とは智の城壁を突破することで、それが能わず彼が18年間亡命したことを言っているらしいです。鋭いウィットでシシカバブのようにしてやる、というのはConfu-shish kebabという洒落になってます)

Now that we've covered the two Yin and Yang twins, I can move on to Jackie Chan!
Sun Tzu, I'll be picking apart your Wu with my method, man!
The seminal general isn't so tough on the mic; all your men must be like, "Yo, what happened?"
You're pitiful lyrically. Lucky for history, you didn't author The Art of Rapping!


(ソクラテス)我らが対の陰と陽に相当したところで、わしはジャッキー・チェーンとやりあおうか
孫子や、わしはお前の呉(Wu)をわしのメソッドをもって批判させてもらうぞ、なあ?
有力な軍司令官殿はマイクの上では不屈でもないみたいじゃな、お前の兵士どももこんなもんじゃろ「よう、どうした?」
お前さんはとても取るに足りない。お前さんがラップの技法書の著者じゃないのは歴史にとってラッキーじゃよ

(ソクラテスは孫子が武の道に秀でた軍師であったことから彼をジャッキー・チェーンに喩えています。I’ll picking apart your Wu with my method, man!で、孫子の仕えていた呉の国(Wu)をソクラテスの方法論で批判することを意味し、さらにWu Tang Clanのメンバーとして知られるアメリカ人のラッパー、Method Manにもかかった言葉遊びになっているそうです。)

Bitch, I wrote The Art of War so you better get your guns out!
These white boys getting burned 'cause guess what? Now, the Sun's out!
Asians spitting sick, but no, this isn't SARS!
Laozi, kick the beat; now Confucius, drop some bars!


(孫子)畜生めが、俺は兵法書を書いたんだ、あんたがよく砲撃できるようにな
この白人の坊やどもは焼けちまうよ、何故って?日が昇って来たからさ
アジア人はカッコよくラップをかますが、これはSARSじゃないぞ
老子よ、ビートを刻め、孔子よ、何か言ってやれ!

(Sun's out, guns outで日の出とともに筋肉を誇る〔あるいは日中に腕まくりをする〕仕草を意味するらしいですが、ここでのguns outは孫氏の仕草が語っているようにgunshotでとらえていいんでしょうか。Sun's outは東洋が日出るところであること、そして孫氏〔Sun〕の名前にかかっています。sickはスラングでawesomeと同じ意味らしいですが、病気という意味ともかかっていてSARSが引き合いに出されているんですかね。老子がビートボックスを担当し、孔子が辛辣なラップを繰り出す次のラインは中の人の特性を生かしたものになっています。それぞれ世界的ヒューマンビートボクサーのKRNFXとフリースタイルバトルで一躍有名になったMC Jin。)

Let me be Candide with you, Voltaire,
French drip with the egg noodle hair.
Your ego's just so distracting.
Free speech doesn't mean just keep yapping!
And you killed God so I gotta ask:
Did he die of shame when he made your mustache?
You tried to plant a new German psyche,
But you just grew hate; me no Third Reichy!


(孔子feat.老子)率直に言おうか、ヴォルテール、
卵麺のような頭をしたフランス人のコーヒー狂
貴方のエゴはただ気を散らせるだけだし
言論の自由ってのはただキャンキャン吠えればいいってものじゃないんだよ
そして君、神を殺したって?聞いてもいいかな
君の口髭を創造なさったときに、彼は愧死してしまったのか?
君は新しきゲルマンの精神の種を撒こうと試みたが、
憎悪を育んだだけだったな、第三帝国は好かないな!

(『カンディード』はヴォルテールの著作。孔子がヴォルテールをなじる所も面白いですがニーチェをおちょくる歌詞が辛辣すぎて必見です。この揶揄は「神は死んだ」への言及となっていますが、またニーチェの思想がナチズムの温床となったことをも揶揄しています。さらにme no Third Reichyは中国人の英語初心者に典型的なフレーズme no likey〔私は好きではない〕にかかっています)

And it all starts with you: you're the father, Socrates!
Honestly, I think you owe both of your students here an apology!


(孫子)そして全ては貴方からはじまった、父なるソクラテス!
正直な所、あなたは両方の生徒さんの仕打ちに対する責任があると思うんですがね、ほら弁明してみなさんな!

(子の責任は父が負えという指摘。ここでのapologyはプラトンによる『ソクラテスの弁明』を指しています。)

I wouldn't exactly call myself a student of this plebe.
Don't make Nietzsche come over and put a knee up in your chi,
'Cause I'm N-I-E-T-Z-S-C-H-E,
And I'll end any mother fucker like my name in a spelling bee!


(ニーチェ)確かに私は自らをこう呼びたくなかった、この平民の生徒であると
このニーチェを君の気のもとに行かせて、ひざまずかせようとしないでくれ
私はN-I-E-T-Z-S-C-H-Eだからな、
そして私の名前のスペルの様なクソ野郎はもう終わらせてやる!


(ここでいう気(chi)とは中国思想でいう生命の流れ。そっちのチームに誘惑しないでくれと言う意味。ニーチェのスペルは難しいとだれでも思うことだったんですね。)

Plebe, bitch? I'm toxic like a hemlock sip!
Hang a sandal on the door 'cause you can suck Soc's dick!


(ソクラテス)平民だと、小僧?わしはドクニンジンの如く有毒じゃぞ!
サンダルをドアにかけておくんだな、お愉しみのためにな!

(ドクニンジンはソクラテスの刑罰に用いられたもの。plebeあるいはplebianはギリシャ語で平民を指す言葉であり、さらにアメリカの軍士官学校の生徒を指すそうです。そこから、ドアにサンダルでもかけとけという警告は、寮生がルームメイトに部屋でお取り込み中であるということを知らせるためにドアに靴下を下げておくと言う習慣とかけているんだとか〔古代ギリシャに靴下は無いのでサンダルになっている〕)

Sacré bleu, Socrates! You're making things a little tense!
Come, let's blind these Chinese heinies with some shiny bright enlightenment!


(ヴォルテール)なにしてるの、ソクラテス!貴方は少し事態を張りつめさせすぎだ!
さあ、明るく輝く啓蒙でもって、この中国人達のお尻を見えなくしてしまいましょうよ!

(仲間割れしている場合じゃないでしょ、という警告。enlightenmentが語源的に照らすことを意味することからshiny brightという形容詞が使用されていますがなぜヴォルテールは臀部にこだわるのか)

I'll not be taught camaraderie from a frog who rigged the lottery!
You make a mockery of ethics, so keep your fat nose in your coffee!


(ソクラテス)ちゃらちゃら着飾ったカエルから友愛を教わりとうないわ!
倫理学をこけにしやがって、てめえのコーヒーにそのでかい鼻でも浸けとけ!

(lotteryは宝くじを意味しますが、成り金のように着飾りやがって、という意味でしょうか。またもコーヒー狂であることを揶揄されるヴォルテール。)

Let me be frank: don't start beef with the Frank,
Who hangs with B. Franks, giving ladies beef franks!


(ヴォルテール)率直に言います!このフランソワに敵意を向けないでください、
ベンジャミン・フランクリンと付き合いがあり、多くのご婦人方にフランクフルトを与えたもうた、このフランソワに!

(怒涛のフランクを使った洒落。最初の一文は率直、そしてヴォルテールのファーストネーム、フランソワの英語名であるフランク、フランス人の総称が重なっています。そして副詞節はベンジャミン・フランクリンと隠語にかかっています。さすが言葉遊びの名手Zach Sherwin〔中の人〕。)

I have turned them on themselves. Their chaos is our opportunity!


(孫子)彼らを動転させてやったぞ!敵の混乱が我らの勝機ですぞ!
(「混乱のさなかに我らが勝機あり」というのは孫子の兵法書の一文。西洋の哲学者たちが彼の策略にはまったことを意味します)

We must remember: a bowl is most useful when it is empty.


(老子)我らは忘れずにいるべきだ、碗は空の時が最も有益であることをな。
(老子の無の思想。『道徳経』第十一章から。おそらく孫子の混沌“The caos”に対応して釘を打っているものだと思います。動画で孔子がこれにうなずいているのは彼が老子の弟子だから、と解説してありますが次の場面ではどうみても呆れ顔しているんだよなあ)

(Ugh!) Laozi, I don't mean no disrespect,
But you need to fill your bowl with some shit that makes some sense!


(孫子)ああ老子、失礼をいうつもりではないのですが、
でも貴方はその碗をブツで満たすべきですよ!意味を成すためにね!
(碗は何か入れないと意味を成さないだろ、という指摘。)

Oh, you don't wanna stand in the path of Lao Tzu today.
I'll make you move, bitch. Get out The Way!


(老子)ほう、君は今日老子の道に立ちたくはないんだな
立ち退かせてやろう、クソが。道をあけな!
(pathとかwayは老子のタオ〔道〕イズムにかかっています)

Yo, where in the tradition of rap battles is it written
That two dudes on the same team should squabble like some clucking chickens?


(孔子)なんとな、ラップ・バトルの伝統の何処に書いてありますかな
同じチームの者がコッコと鳴く鶏のように小競り合いしなければならないと
(やれやれ顔だった孔子、メタ発言。)

Man, Confucius, you always try to put something in its place.
Why don't you tell your eyebrows they need to fit better on your face?


(孫子)なあ、孔子、貴方はいつも在るべきところにものを置こうとするだろ。
なぜ貴方はその眉毛に教えないんだ、その顔によく収まるべきだと?

Okay, I see. You wanna make it like that?
I'll smack that warmongering head out of your to-go box hat!
So here's the real golden rule: I'm way above you weak rookies.
Confucius say, you can all hold these fortune cookies!


(孔子)ほうほう、かしこまりましたぞ、つまり君はこうなりたいわけだな?
ぶってやろうか、その戦争好きな頭からテイクアウトボックスの様な冠が消えるまでな!
そう、これこそが真の黄金律なのだ、つまり私がずっと上手だということだよ、か弱いルーキー君。
孔子いわく。君たち皆、私のフォーチューン・クッキーでも握ってみたまえよ、青二才ども!

(to-go boxとはアメリカの中華料理店で使用されるテイクアウト用の箱のことを指すみたいです。孔子の黄金律とは恕道、すなわち「己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ」という思想ですが、ここでは老子と孫子に自らがずっと勝っていることだと述べています。you can all hold these fortune cookiesのフォーチューン・クッキーは睾丸の婉曲表現で、罵倒表現として使用されるyou can suck my dickの言い換え表現のようです。)

孔子の圧勝っぽいですね。さすが中の人がフリースタイルで勝ち抜いてきたMC Jinなだけのオチである…。ライムはもちろん歴史ネタと中の人ネタを巧妙に織り交ぜるERBのこのスタイル、とても面白いです。
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